大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問38 (第5問(漢文) 問9)

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問題

大学入学共通テスト(国語)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問38(第5問(漢文) 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

次の【文章Ⅰ】は、『論語』の一節と、それについて江戸時代の漢学者である皆川淇園(みながわきえん)(1735―1807)が著した注釈であり、【文章Ⅱ】は、淇園の弟子である田中履堂(たなかりどう)(1785―1830)が著した読書論である。これらを読んで、後の問いに答えよ。なお、設問の都合で返り点・送り仮名を省いたところがある。

(注1)賜 ――― 孔子の門人である子貢。賜は名。
(注2)一似 ――― 一つのことで。
(注3)夫子 ――― 先生。ここでは孔子のこと。
(注4)諸経 ――― 『詩経』『書経』といった儒教の古典。
(注5)疑言 ――― 推し量って言う。
(注6)龐雑冗乱 ――― 雑然としてまとまりがない。
(注7)先師 ――― すでに亡くなった先生。
(注8)便捷 ――― 早道である。
(注9)粗渉 ――― 大ざっぱに目を通す。
(注10)欽羨 ――― 敬いあこがれる。

【文章Ⅰ】から読み取れる皆川淇園の学問に対する考え方と、【文章Ⅱ】から読み取れる田中履堂の読書に対する考え方を説明したものとして最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 皆川淇園は、学問では、要点をまず把握し、それに基づいて個別の事例を分析すべきだと説いている。田中履堂は、読書によって多くの具体的な事柄を知って、それら全てを貫通する法則を発見することが大切だと説いている。演繹的に学ぶのか帰納的に学ぶのかという点で、両者の考えは対立している。
  • 皆川淇園は、学問では、鍵となる部分を素早く見極めて、それを広く適用して要領よく学ぶべきだと説いている。田中履堂は、一冊の書物を精読することを通じて、学問の土台をじっくりと築くことが大切だと説いている。学びにおいて効率を重視するのか否かという点で、両者の考えは対立している。
  • 皆川淇園は、学問では、精密な分析を通じて、現実の問題に応用できる原理を抽出すべきだと説いている。田中履堂は、現実の問題の解決につながる知識を集積するためには、様々な分野に関係する書物の熟読が大切だと説いている。学びにおける実用性を重んずる点で、両者の考えは通底している。
  • 皆川淇園は、学問では、雑多な知識に惑わされないように、基軸となる要点を把握すべきだと説いている。田中履堂は、多くの書物を乱読するよりも、一冊の書物を隅々まで深く理解することが大切だと説いている。学びにおいて多くの知識を得ることに重きを置かない点で、両者の考えは通底している。

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