大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問38 (第5問(漢文) 問7)
問題文
本文と同じ内容の故事は別の書物にも記されており、そこでは本文のあとに続けて記載した論評が加えられている。この論評の趣旨を説明する文章として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(国語)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問38(第5問(漢文) 問7) (訂正依頼・報告はこちら)
本文と同じ内容の故事は別の書物にも記されており、そこでは本文のあとに続けて記載した論評が加えられている。この論評の趣旨を説明する文章として最も適当なものを、後の選択肢のうちから一つ選べ。
- 魏の文侯は、在野の賢者を敬うなどして、日頃から民衆の心をしっかりと掴(つか)んでいた。このため、軍隊に動員された民衆は将軍の命令によく従い、その結果、魏は他国の侵略から自国を防衛することができた。彼は民心の掌握によって軍事力の増強を達成したという点で、優れた戦略家だと評価できる。
- 魏の文侯は、在野の賢者を敬うなど、民間人とその活動を尊重する方針を取っていた。これにより、魏の人々は周辺諸地域と盛んに交流するようになり、その結果、魏は他国に侵略を思いとどまらせることができた。彼は民間の活力によって戦いを未然に防いだという点で、優れた戦略家だと評価できる。
- 魏の文侯は、在野の賢者を敬うなど、民意を尊重して国を治める姿勢を取っていた。その一方で、軍事力の増強にもたゆまず努めて周辺諸国の脅威に備え、その結果、他国の侵略を抑止することができた。彼は理想を掲げつつ現実的な対応によって国難を乗り越えたという点で、優れた戦略家だと評価できる。
- 魏の文侯は、在野の賢者を敬うなど、有徳者を重んずる姿勢で国を治めていた。このことは、広く天下に知られるようになり、その結果、軍隊を動かすまでもなく、他国に侵略を思いとどまらせることができた。彼は有徳者を敬うことによって戦いを未然に防いだという点で、優れた戦略家だと評価できる。
- 魏の文侯は、在野の賢者を敬い、身分に拘(かか)わらず有能な人材を抜擢(ばってき)する方針を表明していた。これにより、魏には知謀に長(た)けた人物が多く集まることとなり、その結果、他国の侵略から自国を防衛することができた。彼は人材登用によって軍事面の強化を達成したという点で、優れた戦略家だと評価できる。
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この過去問の解説 (1件)
01
本文の故事の内容を的確に捉えているかを問う問題です。
魏の文侯がどういった点で「善く兵を用いることができる(=優れた戦略家である)」と論評されているのでしょうか。話の流れを振り返りながら整理してみましょう。
①魏の文侯は民間に下った段干木が住む村の門にも敬礼をする(=民間人でも賢者であれば敬う)
②秦の司馬庾はこの事実を受け、「魏の文侯は民間人であっても人徳のある人物には敬意を払う。このことは広く知れ渡っていることである」と語って、魏への出兵を思いとどまらせる。
③結果として、魏はこれといった策を講じることもなく自然と秦との戦を回避することができた。
上記をふまえて各選択肢を確認していきましょう。
魏の文侯は戦をすることなく自国を防衛することに成功した、というのが本文の主旨であるため、この解釈は誤りです。
周辺諸地域との交流や民間の活力については本文で語られていないため、誤りです。
魏が軍事力の増強にもたゆまず努めて周辺諸国の脅威に備えていたとする説明は本文に無いため、誤りです。
冒頭で解説した内容が過不足なく盛り込まれているこの選択肢が正解です。
魏の文侯が、在野の賢者を敬い、身分に拘わらず有能な人材を抜擢する方針を表明していたということは本文に書かれていないため、誤りです。
本文の流れを全体的に理解できていることがベストですが、本問の解答にあたっては、不適切な解答にはいずれも明らかな誤りが含まれているため、消去法で正解を絞り込むことも可能です。
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