大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和5年度(2023年度)本試験
問30 (第4問(漢文) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(国語)試験 令和5年度(2023年度)本試験 問30(第4問(漢文) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

唐の白居易は、皇帝自らが行う官吏登用試験に備えて1年間受験勉強に取り組んだ。その際、自分で予想問題を作り、それに対する模擬答案を準備した。次の文章は、その【予想問題】と【模擬答案】の一部である。これを読んで、後の問いに答えよ。なお、設問の都合で本文を改め、返り点・送り仮名を省いたところがある。


波線部(イ)「以為」のここでの意味として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。

(イ)  以為
問題文の画像
  • 考えるに
  • 同情するに
  • 行うに
  • 目撃するに
  • 命ずるに

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この過去問の解説 (3件)

01

以為【おもへ-らく】」は「~だと思う「思うに~である」という意味で、漢文では頻出の語句です。

必ず押さえておくようにしましょう。

選択肢1. 考えるに

「思うに~である」という意味に合致するこの選択肢が正解です。

まとめ

教科書や模試でも見かける機会の多い語句なので、ぜひ得点したい問題です。

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02

「以為」の書き下し文には「おもへらく」と「以って為す」があります。

 

「おもへらく」には「思うと」「考えると」の意味があり、この読みを知っていれば正答は「考えるに」だとわかります。

 

また「以って為す」と読んだとしても、「行動する」「真似する」「変える」「想像する」の意味があり、続く文章の内容から「考えるに」を選ぶことができます。

 

それでは各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 考えるに

適切です。

 

熟語の意味としても適当ながら、読点ののちの「求賢有術〜」が考えている内容であることから、文脈にも合致します。

選択肢2. 同情するに

不適当です。

「以為」に「同情」の意味はありません。

 

また波線部イ以降について、「同情する」から「賢い人を見分け、登用する方法がある」との内容へつながるとすると、まったく意味が通りません。

文脈にも合わないため不適当となります。

選択肢3. 行うに

不適当です。

 

「以為」の意味としてはありえますが、続く内容では「方法がある」と語っているだけであり、まだ実行には移していないとわかるため不適当となります。

選択肢4. 目撃するに

不適当です。

 

「以為」に「目撃」の意味はありません。

文脈とも一致しません。

選択肢5. 命ずるに

不適当です。

 

「以為」に「命令」の意味はなく、文脈とも一致しません。

まとめ

「以為」の意味を知っていればすぐにわかる問題ですが、「為」の使われる熟語「行為」「作為」「無為」などから意味を推測できる問題でもあります。

 

また「以為」には、

①「以A為B」Aを以ってBと為す

②「以為A」以ってAと為す

との読み方もあります。

 

当問でも「おもへらく」と読まなければ②の読み方で、読点以降句点までの「求賢有術、弁賢有方」がAに該当します。

 

「以」も「為」も漢文には必ず出てくる漢字です。

頻出漢字はそれぞれの意味だけでなく、合わさったときにどんな意味となるのかも踏まえて学習しましょう。

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03

この問題を解答するポイントは以下の点です。
以為の意味が分かるか。

選択肢1. 考えるに

正しく訳せていますので、正解です。

選択肢2. 同情するに

「以為」の意味を間違えているため、不適当です。

選択肢3. 行うに

「以為」の意味を間違えているため、不適当です。

選択肢4. 目撃するに

「以為」の意味を間違えているため、不適当です。

選択肢5. 命ずるに

「以為」の意味を間違えているため、不適当です。

まとめ

最初に提示したとおり、解答するポイントは以下の点です。
以為の意味が分かるか。
→以為は、「以為(おも)へらく」と訓読する重要語です。
 考えるという意味を持ちますので、選択肢の中から意味が合うものを選びます。

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