大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問19 (第3問(実用的な文章) 問2)

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問題

大学入学共通テスト(国語)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問19(第3問(実用的な文章) 問2) (訂正依頼・報告はこちら)

わかりやすい言葉づかいについて自分の考えを書くという課題を与えられたUさんは、かつて外来語をわかりやすく言い換える提案があったことを知って興味を持ち、そのことを例に【文章】をまとめている。【資料Ⅰ】と【資料Ⅱ】は、集めた資料をUさんがまとめ直したものである。これらを読んで、後の問いに答えよ。

【文章】(段落に①〜④の番号を付してある。)
①  言いたいことをわかりやすく伝えるためには、語句を言い換えたほうがよいことがある。その一例として外来語を取り上げたい。【資料Ⅰ】は、2003年当時、あまり定着していなかった外来語について、わかりやすい言い換えが提案されたときの意識調査の結果である。(X)ここでは「インフォームドコンセント」という語に注目して、言い換えの意義について考える。
②  【資料Ⅱ】は、「インフォームドコンセント」の言い換えについての提案である。「納得診療」や「説明と同意」と言い換えると、「インフォームドコンセント」とは、医師の十分な説明をもとに患者が納得したり同意したりして、両者が医療に臨むことを表す語句だとわかる。診療場面で重要なことであるにもかかわらず、当時、その概念は浸透していなかった。この言い換えの提案は、そうした状況のなかで、A意義があったと考えられる。
③  この提案から20年近くたった今、言い換えが必要ないほど定着した外来語もあるだろう。しかし、外来語をわかりやすく言い換える必要性が今後なくなるわけではない。それは、ある外来語がそのまま一般的になったとしても、社会の変化にあわせて別の新しい外来語が使われるようになるからだ。また、B時代が進んでも社会全体として外来語の増加を当然だと考える人が大きく増えるとは限らない。意味の伝わりにくそうな外来語については、これからも言い換えたほうがよい場合があるのではないか。
④  今回は外来語の言い換えを例に、わかりやすい言葉づかいの重要性について考えた。今後も外来語について関心を持っていきたい。

Uさんは、【文章】の下線部A「意義があった」について、どのような意義があったのかを具体的に示すため、表現を修正することにした。修正する表現の内容として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 医療現場で医師の言葉が患者にわかりやすく伝わるようにするとともに、外来語を身近な日本語に言い換えるという発想を広めようとする点で意義のある試みだった
  • 医師の責任を明確にして患者を安心させるとともに、医師の使う外来語を患者が適切に理解した場合の効果を社会に伝えようとする点で意義のある試みだった
  • 医師と患者の両方の立場を尊重するとともに、患者の訴えを医師が十分に理解して受け止めることの重要性を確認していこうとする点で意義のある試みだった
  • 医療における医師の説明や患者の納得の必要性を重視するとともに、この外来語の表している概念を社会に定着させようとする点で意義のある試みだった

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この過去問の解説 (2件)

01

そうした状況のなかで意義があったとありますが、
そうした状況とは「インフォームドコンセント」とは、
医師の十分な説明をもとに患者が納得したり同意したりして両者が医療に臨むことを表す語句であることが浸透していなかった状況のことです。
つまり、

インフォームドコンセントという語句の意味を浸透させたことに意義があったということです。

以上のことをふまえて各選択肢を検討していきます。

選択肢1. 医療現場で医師の言葉が患者にわかりやすく伝わるようにするとともに、外来語を身近な日本語に言い換えるという発想を広めようとする点で意義のある試みだった

「外来語を身近な日本語に言い換えるという発想を広めようとする点」で異議があるという記述はありません。
よって不適です。

選択肢2. 医師の責任を明確にして患者を安心させるとともに、医師の使う外来語を患者が適切に理解した場合の効果を社会に伝えようとする点で意義のある試みだった

「医師の責任を明確にして患者を安心させる」という記述はありません。
よって不適です。

選択肢3. 医師と患者の両方の立場を尊重するとともに、患者の訴えを医師が十分に理解して受け止めることの重要性を確認していこうとする点で意義のある試みだった

「医師と患者の両方の立場を尊重する」という記述はありません。
よって不適です。

選択肢4. 医療における医師の説明や患者の納得の必要性を重視するとともに、この外来語の表している概念を社会に定着させようとする点で意義のある試みだった

適当な選択肢です。

「医療における医師の説明や患者の納得の必要性」はインフォームドコンセントの説明であり、
「この外来語の表している概念を社会に定着させようとする点」は、
インフォームドコンセントという語句の意味を浸透させたことに意義があったということに一致します。

まとめ

指示語が何を指しているのか整理して読むと、
文章の意味が分かりやすくなります。

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02

本問に解答する上では、まず

この言い換えの提案は、そうした状況のなかで、A意義があったと考えられる。

という文章の、そうした状況とはどういう状況を指すのかを考える必要があります。

 

そのためには、直前の文章に注目しましょう。

納得診療」や「説明と同意」と言い換えると、「インフォームドコンセント」とは、医師の十分な説明をもとに患者が納得したり同意したりして、両者が医療に臨むことを表す語句だとわかる。診療場面で重要なことであるにもかかわらず、当時、その概念は浸透していなかった。

 

論点を整理すると以下の通りとなります。

①「インフォームドコンセント」とは、医師の十分な説明をもとに患者が納得したり同意したりして、両者が医療に臨むことを表す語句である。

②「インフォームドコンセント」は診療場面で重要なことであるにもかかわらず、当時、その概念が浸透していなかった。

「インフォームドコンセント」を「納得診療」や「説明と同意」と言い換えると意味が分かりやすくなり、①の概念が浸透し、②のような状況が解消されるため、意義があったと考えられる。

 

特に③が最も重要であり、この部分が論点の中心となっている選択肢が正解となります。

 

上記の点をふまえながら各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. 医療現場で医師の言葉が患者にわかりやすく伝わるようにするとともに、外来語を身近な日本語に言い換えるという発想を広めようとする点で意義のある試みだった

下線部Aの意義とはインフォームドコンセント」という概念を社会に浸透させようとする意味で意義のある試みだったということを指しているのであり、「外来語を身近な日本語に言い換えるという発想を広めようとする」ことは論点ではないため、誤りです。

選択肢2. 医師の責任を明確にして患者を安心させるとともに、医師の使う外来語を患者が適切に理解した場合の効果を社会に伝えようとする点で意義のある試みだった

インフォームドコンセント」が目指すのは、医師の十分な説明をもとに患者が納得したり同意したりして、両者が医療に臨むことです。

さらに、下線部Aが指す意義を説明するためには、このインフォームドコンセント」という概念を社会に浸透させようとする意味で意義のある試みだった、という点に言及することが必須となります

 

そのため、「納得」や「同意」という要素、そして「インフォームドコンセントという概念を浸透させる」という点を含んだ説明になっていないこの選択肢は不正解です。

選択肢3. 医師と患者の両方の立場を尊重するとともに、患者の訴えを医師が十分に理解して受け止めることの重要性を確認していこうとする点で意義のある試みだった

インフォームドコンセント」が目指すのは、医師の十分な説明をもとに患者が納得したり同意したりして、両者が医療に臨むことです。

さらに、下線部Aが指す意義を説明するためには、この「インフォームドコンセント」という概念を社会に浸透させようとする意味で意義があった、という点に言及することが必須となります。

 

両方の立場を尊重するという表現だけでは「納得」や「同意」という要素に言及しきれておらず、さらに「インフォームドコンセント」という概念を社会に浸透させようとする意味で意義のある試みだった、という点が抜けていることからも、この選択肢は不正解です。

選択肢4. 医療における医師の説明や患者の納得の必要性を重視するとともに、この外来語の表している概念を社会に定着させようとする点で意義のある試みだった

納得」や「同意」という要素に言及しており、さらに「インフォームドコンセント」という概念を社会に浸透させようとする意味で意義があったという点に関しても言及しているこの選択肢が正解です。

まとめ

②段落の主旨を正しく捉えているかを問われる問題でした。

「その」「そうした」といった指示語が掛かっている先をたどりながら本文の意図を整理していきましょう。

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