大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和7年度(2025年度)本試験
問33 (第5問(漢文) 問4)
問題文
(注1)賜 ――― 孔子の門人である子貢。賜は名。
(注2)一似 ――― 一つのことで。
(注3)夫子 ――― 先生。ここでは孔子のこと。
(注4)諸経 ――― 『詩経』『書経』といった儒教の古典。
(注5)疑言 ――― 推し量って言う。
(注6)龐雑冗乱 ――― 雑然としてまとまりがない。
(注7)先師 ――― すでに亡くなった先生。
(注8)便捷 ――― 早道である。
(注9)粗渉 ――― 大ざっぱに目を通す。
(注10)欽羨 ――― 敬いあこがれる。
傍線部Aについて、孔子が子貢の考えを「擬言」して訊ねた理由を筆者はどのように推測しているか。その説明として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
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問題
大学入学共通テスト(国語)試験 令和7年度(2025年度)本試験 問33(第5問(漢文) 問4) (訂正依頼・報告はこちら)
(注1)賜 ――― 孔子の門人である子貢。賜は名。
(注2)一似 ――― 一つのことで。
(注3)夫子 ――― 先生。ここでは孔子のこと。
(注4)諸経 ――― 『詩経』『書経』といった儒教の古典。
(注5)疑言 ――― 推し量って言う。
(注6)龐雑冗乱 ――― 雑然としてまとまりがない。
(注7)先師 ――― すでに亡くなった先生。
(注8)便捷 ――― 早道である。
(注9)粗渉 ――― 大ざっぱに目を通す。
(注10)欽羨 ――― 敬いあこがれる。
傍線部Aについて、孔子が子貢の考えを「擬言」して訊ねた理由を筆者はどのように推測しているか。その説明として最も適当なものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
- 子貢の日頃の言動には、「先生は古典を多く学んでその内容をよく覚えることよりも、人徳の完成を追求しているのだ」と考えているふしが見受けられたから。
- 子貢の日頃の言動には、「先生が古典を多く学んでその内容をよく覚えるのは、学者としての名声を獲得するためだ」と考えているふしが見受けられたから。
- 子貢の日頃の言動には、「先生は古典を多く学んでその内容をよく覚えることで、有徳者を心服させたのだ」と考えているふしが見受けられたから。
- 子貢の日頃の言動には、「先生は古典を多く学んでその内容をよく覚え、それによって人格を完成させたのだ」と考えているふしが見受けられたから。
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この過去問の解説 (3件)
01
選択肢を読むと、
子貢が普段、
先生がどう考えていると思っているかを読み取る必要があることが分かります。
よって、
傍線部Aの前の文章に注目します。
書き下し文にすると、
「夫子蓋し常に子貢の夫子を称する言を聞くに、多く諸経を学び、又た能く強記してその文を識り、因りて以て其の徳を成すを得る者と為すに似たり。」となります。
以上のことをふまえて各選択肢を検討していきます
「先生は古典を多く学んでその内容をよく覚えることよりも」という部分が不適です。
「多く諸経を学び、又た能く強記してその文を識り、因りて以て」とあることから、
「古典を多く学んでその内容をよく覚えることで」と訳すのが適切です。
「学者としての名声を獲得するため」という部分が不適です。
「其の徳を成すを得る」は名声を獲得するとは訳せません。
「有徳者を心服させたのだ」という部分が不適です。
「其の徳を成すを得る」は有徳者を心服させるとは訳せません。
適当な選択肢です。
「徳を成す」とは「人格を完成させる」と訳して問題ありません。
書き下し文にしながら読むことで、
文章の意味が分かりやすくなると思います。
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02
傍線部の前、「夫子蓋常聞子貢称夫子之言、似為多学諸経又能強記識其文、因以得成其徳者」の意味を取ることができれば選べると思います。
書き下し文に直せば「夫子蓋し常に子貢の夫子を称する言を聞くに、多く諸経を学び、又た能く強記してその文を識り、因りて以て其の徳を成すを得る者と為すに似たり。」となります。つまり、日頃、子貢が師匠の孔子のことを言うのを聞いていると、子貢は孔子のことを広く諸経を学んでそのことをよく覚えて博覧強記となることで徳を成している者だと思っていると察していた、ということになります。
この解釈に最も近いものは『子貢の日頃の言動には、「先生は古典を多く学んでその内容をよく覚え、それによって人格を完成させたのだ」と考えているふしが見受けられたから。』であり、これが正解です。
漢文の意味を全て取れるのであればいいですが、難しい時は句法になりそうな部分を注目しましょう。この文には「〜よりも」のような比較の意味を表す漢字はありません。よって誤りです。
なお、単純な比較を表す漢文の句法としては置字の「於」などがあります。
本文中に「名声を獲得するため」のような部分はありません。よって誤りです。
本文中に「有徳者を心服させた」のような文言は書いていないため、誤りです。
本文を全て書き下し・現代語訳までテストの中で考えることができればいいですが、実際には難しい時もあるかもしれません。そのような時は、一漢字、一単語から意味を推し量ってみましょう。それだけでも「この選択肢は誤りかな・・・」ということはある程度選べるかと思います。
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03
傍線部Aの直前の文を正しく解釈できているかが問われる問題です。
漢文を読んだ時点で内容を理解できなかった場合は、選択肢の文も手掛りにしましょう。
各選択肢と本文の文脈を照らし合わせることで読解していくというのも一つの手段です。
ポイントとなるのは以下の要素です。
・孔子が「私は多くを学び知る者ではない。一つの物事を貫く者だ」と子貢に教えている。
・このエピソードを受けた皆川淇園の論「学問の習得においては、知識をむさぼるべきではない。一つの要素を重視して貫くべきである」
これらの要素から、本文は「むやみに知識をむさぼるのではなく、一つの道に絞るべき」という流れで展開されると考えられます。
なお、傍線部Aの直前の文では、「孔子はおそらく、子貢が日ごろ孔子を称賛する際の言い方から、『先生は古典を多く学んでその内容をよく覚え、それによって人格を完成させたのだ』と思われていると推察したのだろう(それゆえに、子貢に冒頭のような問いを投げかけた)」という主旨が解説されています。
上記の点をふまえると、子貢の日頃の言動には、「先生は古典を多く学んでその内容をよく覚え、それによって人格を完成させたのだ」と考えているふしが見受けられたからという解釈が正解となります。
本文を全て理解できていなくても、最低限の主旨が理解できていれば、「古典の内容を覚えることよりも人徳の完成を目指している」「学者としての名声を獲得するため」「有徳者を心服させた」という選択肢は誤りであると判断できるはずです。
「子貢の日頃の言動には、『先生は古典を多く学んでその内容をよく覚え、それによって人格を完成させたのだ』と考えているふしが見受けられたから」が正解であると絞り込めたところで、逆にこの訳を利用して冒頭から本文を読み直してみると、より鮮明に内容が理解できるでしょう。
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