大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問22 (第3問(実用的な文章) 問2(2))

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問題

大学入学共通テスト(国語)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問22(第3問(実用的な文章) 問2(2)) (訂正依頼・報告はこちら)

Lさんは、「本をデジタル機器で読むこと」をテーマに資料を集めてレポートを書くことにした。【資料Ⅰ】と【資料Ⅱ】は集めた資料をLさんがまとめ直したもので、【資料Ⅲ】は新聞記事の抜粋である。Lさんは、資料を集めながらレポートの【構成案】の検討もしている。これらを読んで、後の問いに答えよ。

Lさんは、国会図書館のデジタル化の取組みのこれまでの状況とこれからの見通しについて、【資料Ⅲ】に書いてあることを要約して情報を整理することにした。その内容として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 2000年前後から国会図書館はインターネットでの資料提供に力を入れている。コロナ禍でその動きが加速し、バリアフリーのサービスとして所蔵資料のデジタル化も始まった。今後はデジタル資料の収集もめざしている。
  • 2000年前後から進んだ国会図書館のデジタル展開は、コロナ禍を機に加速した。バリアフリーのサービスも始まろうとしている。より多くの所蔵資料がデジタル化されつつあり、デジタル資料の長期保存もめざしている。
  • 国会図書館は2000年前後からインターネットでの資料提供に力を入れている。バリアフリーのサービスとして20世紀中の100万冊の書籍のデジタル化も始まった。今後は書籍およびデジタル資料の収集もめざしている。
  • 国会図書館のデジタル展開は2000年前後から進んでおり、コロナ禍を機にそれがさらに加速した。バリアフリーのサービスも始まった。所蔵資料のデジタル化が進んでおり、デジタル資料の収集と長期保存もめざしている。

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この過去問の解説 (1件)

01

正しい選択肢を絞り込むためのポイントは以下の2つです。

 

①2000年前後から始まったのは何か?

デジタル展開(インターネットでの資料提供、視覚障害者向けサービス、所蔵資料のデジタル化など)

②バリアフリーのサービスは、始まろうとしている or すでに始まっている?

すでに始まっている

 

上記の両方を満たす選択肢は1つしかないのでこの時点で正解が絞られますが、念のため選択肢の文章が、記事の最後の1文「デジタル資料の収集と長期保存もめざしている」と一致していることも確認しておきましょう。

選択肢1. 2000年前後から国会図書館はインターネットでの資料提供に力を入れている。コロナ禍でその動きが加速し、バリアフリーのサービスとして所蔵資料のデジタル化も始まった。今後はデジタル資料の収集もめざしている。

【資料Ⅲ】の記事において「2000年前後から進んできてコロナ禍を機に一気に加速した」という主旨で述べられているのはデジタル展開のことであり、この中にはインターネットでの資料提供だけでなく視覚障害者向けサービス所蔵資料のデジタル化なども含まれていることに注意しましょう。

 

したがって、「2000年前後から国会図書館はインターネットでの資料提供に力を入れている」と活動の対象をインターネットでの資料提供に限定してしまっている説明文は誤りです。

選択肢2. 2000年前後から進んだ国会図書館のデジタル展開は、コロナ禍を機に加速した。バリアフリーのサービスも始まろうとしている。より多くの所蔵資料がデジタル化されつつあり、デジタル資料の長期保存もめざしている。

【資料Ⅲ】の記事では、バリアフリーのサービスは「始まろうとしている」ではなく、「始まっている」と述べられています。

また、デジタル資料に関しては「収集と長期保存」と書かれているので、「長期保存」だけでは説明が不足しています。

上記2点により、この選択肢は誤りです。

選択肢3. 国会図書館は2000年前後からインターネットでの資料提供に力を入れている。バリアフリーのサービスとして20世紀中の100万冊の書籍のデジタル化も始まった。今後は書籍およびデジタル資料の収集もめざしている。

【資料Ⅲ】の記事において「2000年前後から進んできてコロナ禍を機に一気に加速した」という主旨で述べられているのはデジタル展開のことであり、この中にはインターネットでの資料提供だけでなく視覚障害者向けサービス所蔵資料のデジタル化なども含まれていることに注意しましょう。

 

したがって、「2000年前後から国会図書館はインターネットでの資料提供に力を入れている」と活動の対象をインターネットでの資料提供に限定してしまっている説明文は誤りです。

 

また、視覚障害者向けバリアフリーサービスは247万点であり、「20世紀中の100万冊」はその次の段落で述べられている、2025年までにデジタル化を目指す所蔵資料に関するものであるので混同しないようにしましょう。

選択肢4. 国会図書館のデジタル展開は2000年前後から進んでおり、コロナ禍を機にそれがさらに加速した。バリアフリーのサービスも始まった。所蔵資料のデジタル化が進んでおり、デジタル資料の収集と長期保存もめざしている。

冒頭の解説で示した要素を2つとも満たしているこの選択肢が正解です。

また、「デジタル資料の収集と長期保存もめざしている」という説明も【資料Ⅲ】の記事と合致しています。

まとめ

デジタル展開」が大枠で、その中にインターネットでの資料提供、視覚障害者向けサービス、所蔵資料のデジタル化などが属しているという関係性を正しく読み取れるかがポイントです。加えて、「何が、いつから始まったか(始まろうとしているか)」を正確に捉えることも重要です。

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