大学入学共通テスト(国語) 過去問
令和7年度(2025年度)追・再試験
問34 (第5問(漢文) 問3)

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問題

大学入学共通テスト(国語)試験 令和7年度(2025年度)追・再試験 問34(第5問(漢文) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

次の文章を読んで、後の問いに答えよ。なお、設問の都合で本文・返り点・送り仮名を省いたところがある。

傍線部Aの解釈として最も適当なものを、次のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • わたくしはゆえあって車上から敬礼するわけにはいかない。
  • わたくしは意味もなく車上から敬礼しているわけではない。
  • わたくしはどうしても車上から敬礼しないではいられない。
  • わたくしはことさらに車上から敬礼したりする必要はない。

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この過去問の解説 (3件)

01

解釈を問う設問です。

「乎」が一番のポイントで、「〜か」と読んで疑問の意味、「〜んや」と読んで反語の意味を表します。本文は白文ではなく、送り仮名がついており、反語の意味だとわかります。

また、「敢+(否定)」も頻出句法で、「〜しようとは思わない」の意味です。「乎」を文末に用いて、「敢+(否定)〜乎」の形でもよく出てくる句法です。

「勿」は「なかれ」と読んで、「〜するな」という禁止の意味を持ちますが、今回は「敢」とセットで用いる否定語として単に「〜がない」の意味で訳すと自然に訳せます。

選択肢1. わたくしはゆえあって車上から敬礼するわけにはいかない。

不適当です。「敢勿」を正しく訳せていませんし、反語での解釈ができていません。

選択肢2. わたくしは意味もなく車上から敬礼しているわけではない。

不適当です。「敢勿」を正しく訳せていませんし、反語での解釈ができていません。

選択肢3. わたくしはどうしても車上から敬礼しないではいられない。

これが最も適当です。

「敢勿」=「しようとは思わない」が、反語によって打ち消されて、「どうして〜しようとは思わないだろうか、いや、〜しようと思う」となります。反語は始めに逆のことを言い、それを否定することでより意味を強める目的ですので、「〜しようとは思わないだろうか、いや、〜しようと思う」=「必ず〜しよう」、「〜しないではいられない」と解釈するのも適切です。

選択肢4. わたくしはことさらに車上から敬礼したりする必要はない。

不適当です。「敢勿」を正しく訳せていませんし、反語での解釈ができていません。

まとめ

疑問反語の表現は漢文において最も重要といっても過言ではないでしょう。訳や書き下し文、関連する句法など、しっかりと押さえましょう。また、「敢」も、否定後が前にくるか後ろにくるかで意味が変わります。紛らわしい重要語ですので、きちんと理解しておくと差がつけられます。

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02

本文の内容だけでは絞りにくく、文法の知識が必要とされる問題です。

傍線部Aの解釈で鍵となるのは「敢不〜乎」の意味を知っているかどうかです。

 

「敢」は「進んで〜する」の意味があります。
しかし単独で用いられることは少なく、「敢」はほとんどが否定の「不」「勿」「非」などとともに使われます。

 

否定の意味をもつ漢字であれば意味はすべて同じなので、以下では例として「不」で説明します。

 

否定形は直後にかかるため、
敢不〜」は「~」に入る動詞を否定してから「敢」で全体を修飾するため、「進んで〜しない」
敢不〜乎」は「~乎」の反語部分を否定してから「敢」で全体を修飾するため、「〜しないだろうか、いや進んで〜する」
との意味になります。

 

ちなみに似た形の「不敢〜」では、「進んで〜する」を「不」が否定することから、「進んで~することはない」との意味になり、通常「決して〜しない」と訳します。

これが「強勢否定」と呼ばれる形です。

 

今回は「不」ではなく「勿」ですが意味は「不」と同じで、否定を含む反語のため、「車上から敬礼しないことはあるだろうか、いやない」が直訳になります。

そのため正答は「わたくしはどうしても車上から敬礼しないではいられない。」となります。

 

ちなみに「寡人」は漢文において、王侯やその夫人など地位のある人が「私」と謙遜を交えて自分自身を呼ぶ際に用いられる言葉です。

それゆえ文侯はもともと段干木の使えていた魏の君主と推察できます。

 

それでは各選択肢を見ていきましょう。

選択肢1. わたくしはゆえあって車上から敬礼するわけにはいかない。

不適当です。

 

反語の否定形は肯定文となります。

「勿」「乎」などの否定と反語を意味する漢字を消して読んでも意味が通るということです。

 

そのため、文侯の言葉は結果として「私は車上から敬礼する」と肯定的な意味になります。

 

車上から敬礼するわけにはいかない」と否定の意味だけになっているため、不適当です。

選択肢2. わたくしは意味もなく車上から敬礼しているわけではない。

不適当です。

 

敬礼する意味について述べているのは傍線部A以降の台詞です。

 

漢字の意味とも合わないため、不適当となります。

選択肢3. わたくしはどうしても車上から敬礼しないではいられない。

適当です。

 

「車上から敬礼しないだろうか、いや進んで敬礼する」→「どうしても敬礼してしまう」→「どうしても車上から敬礼しないではいられない」と直訳から意味を変えずに言い換えていったもので、一般的な現代語訳となっています。

選択肢4. わたくしはことさらに車上から敬礼したりする必要はない。

不適当です。

 

漢字の意味としても不適当ながら、以降で段干木の素晴らしさが述べられている点からも、文脈として不適当となります。

まとめ

反語と否定に慣れていなければ間違いやすい問題です。

 

①否定形は後ろにくるものを否定する

②二重否定、反語の否定は肯定文と同じ

以上の2点のルールは最低限覚えておきましょう。

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03

反語の用法を理解しているかがポイントです。

 

反語形「敢勿~」「敢不~

へて~することからん」…どうして~しないだろうか(いや、~せずにはいられない

 

なお、まぎらわしい用法として強勢否定「不敢~」があり、こちらは「敢へて~ず」と読み、「決して~しない」という意味になります。混同しないよう注意しましょう。見分けるコツは「の位置と、「敢不~」となったら反語と覚えることです。

 

上記のことから、傍線部Aの訳は「わたくしはどうしても車上から敬礼しないではいられない」が正解となります。

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