共通テスト(国語) 過去問
令和8年度(2026年度)追・再試験
問21 (第3問(実用的な文章) 問1)

このページは閲覧用ページです。
履歴を残すには、 「新しく出題する(ここをクリック)」 をご利用ください。

問題

共通テスト(国語)試験 令和8年度(2026年度)追・再試験 問21(第3問(実用的な文章) 問1) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさんのクラスでは、自分で設定したテーマについてレポートを書く授業が行われている。生活習慣に関心があったAさんは、次の【資料Ⅰ】の内容に興味を持ち、レポートのテーマを「午前中の調子を左右する要因」にすることとした。テーマに関連するものとして後の【資料Ⅱ】と【資料Ⅲ】を集めたAさんは、現在、各資料についての分析を行っている。これらを読んで、後の問いに答えよ。

【資料Ⅱ】朝食に関する文章
 朝食には大事な役割がある。朝食をとると、体内時計が動き始めることが近年わかってきた。脳にある「主時計」(親時計ともいう)が、体中にたくさんある「末梢(まっしょう)時計」(子時計ともいう)を統御している。
 ヒトの体内時計は1日24.5時間と言われる。そのまま放置すると1日0.5時間のずれが生じるが、体内時計にはある刺激によってリセットされる機能が備わっている。
 主時計をリセットさせるのは、強い光。朝起きて太陽の光を目の網膜に映すと、その光の刺激が脳に届き、睡眠・覚醒リズムや体温や血圧のリズム、ホルモン分泌リズムなどをつくりだす。末梢時計は肝臓、腎臓、胃、腸などさまざまなところにある。朝食は、主に肝臓の末梢時計をリセットするのに大事な働きをしている。
(鎌田實(かまたみのる)「おすすめ『朝タン』に卵」(「毎日新聞」2024年10月27日朝刊)による)

【資料Ⅲ】仮眠に関する文章
 夕方帰宅後に仮眠をとることで、その後頭がすっきりしますが、その分、夜寝る時刻が遅くなり、体内時計のリズムが夜型化することになります。また、夜の寝つきが悪くなるとともに、眠りが浅くなり、結局睡眠不足をもたらします。その結果、翌日の日中に眠気が生じ、また夕方の帰宅後に仮眠が必要になるという悪循環となります。
 人が眠くなる仕組みには、体内時計のリズムによるものとは別に、睡眠不足や脳の使い過ぎなどにより疲れた脳を休ませるためのものがあります。夕方に寝ると脳の疲れが回復し眠気が減るため、夜の眠りが浅くなるのです。
 夕方眠気を感じる場合には、睡眠不足の状態になっている可能性がありますので、夜は早めに寝て十分な睡眠時間を確保した上で、朝食前に勉強をするのも効果的です。
 なお、午後3時前までの時間帯に20分以内でとる「短い昼寝」は頭をすっきりさせる効果があり、夜の睡眠に対する影響も小さいことが分かっています。このときベッドなどで長く眠ると眠りが深くなり、脳と身体が休息モードになってしまい、かえって頭がぼんやりするため注意が必要です。
(文部科学省「早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来〜睡眠リズムを整えよう!〜」による)

【資料Ⅰ】〜【資料Ⅲ】から読み取れることの説明として適当なものを、次の選択肢のうちから二つ選べ。
問題文の画像
  • 【資料Ⅰ】図1から、朝食を「毎日食べる」と回答した人のほうが、朝食を「食べない」と回答した人よりも、午前中の調子が悪いことが「ない」と回答した割合が大きいことが読み取れる。
  • 【資料Ⅰ】図1から、朝食をとる頻度が低くなるにつれて、午前中の調子が悪いことが「よくある」と回答した人と「ときどきある」と回答した人の割合の合計が大きくなっていることが読み取れる。
  • 【資料Ⅰ】図2から、学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとる頻度が高くなるにつれて、午前中の調子が悪いことが「ない」と回答した人の割合が大きくなっていることが読み取れる。
  • 【資料Ⅰ】図2から、学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとることが「よくある」と回答した人のなかでは、午前中の調子が悪いことがどの程度あるかという質問に「ない」と回答した人の割合が最も小さいことが読み取れる。
  • 【資料Ⅱ】から、朝食をとることで体内の末梢時計の一部がリセットされ、そのことがほかの末梢時計や主時計の始動に影響を及ぼし、ずれが生じた体内時計のリズムを整えることが読み取れる。
  • 【資料Ⅲ】から、午後三時前までの時間帯に20分以内の短い仮眠をとるよりも、夕方の帰宅後に20分以上の仮眠をとるほうが、使い過ぎなどによって疲れた脳の回復には効果があることが読み取れる。

正解!素晴らしいです

残念...

この過去問の解説 (1件)

01

適当なのは、「【資料Ⅰ】図1から、朝食を『毎日食べる』と回答した人のほうが、朝食を『食べない』と回答した人よりも、午前中の調子が悪いことが『ない』と回答した割合が大きいことが読み取れる。」と、「【資料Ⅰ】図2から、学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとることが『よくある』と回答した人のなかでは、午前中の調子が悪いことがどの程度あるかという質問に『ない』と回答した人の割合が最も小さいことが読み取れる。」です。

 

【資料Ⅰ】のグラフでは、朝食を毎日食べる人ほど午前中の調子が悪いことが「ない」と答えた割合が、「食べない」人より高くなっています。また、30分以上の仮眠を「よくある」と答えた人の中では、「ない」の割合が最も小さくなっています。図の数値をそのまま比べることがポイントです。

選択肢1. 【資料Ⅰ】図1から、朝食を「毎日食べる」と回答した人のほうが、朝食を「食べない」と回答した人よりも、午前中の調子が悪いことが「ない」と回答した割合が大きいことが読み取れる。

図1を見ると、午前中の調子が悪いことが「ない」と答えた割合は、朝食を「毎日食べる」人では16.5%、「食べない」人では11.8%です。

16.5%のほうが11.8%より大きいため、資料から読み取れる内容です。

選択肢2. 【資料Ⅰ】図1から、朝食をとる頻度が低くなるにつれて、午前中の調子が悪いことが「よくある」と回答した人と「ときどきある」と回答した人の割合の合計が大きくなっていることが読み取れる。

「よくある」と「ときどきある」の割合を合計すると、「毎日食べる」は52.9%、「ときどき食べる」は67.4%、「あまり食べない」は73.3%、「食べない」は68.3%です。

「あまり食べない」から「食べない」になると73.3%から68.3%に下がっています。そのため、朝食をとる頻度が低くなるにつれて一貫して割合が大きくなるとはいえません。

選択肢3. 【資料Ⅰ】図2から、学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとる頻度が高くなるにつれて、午前中の調子が悪いことが「ない」と回答した人の割合が大きくなっていることが読み取れる。

図2で「ない」と答えた割合は、30分以上の仮眠が「よくある」人で13.2%、「ときどきある」で11.4%、「あまりない」で12.7%、「ない」で21.6%です。

仮眠の頻度が高くなるほど「ない」の割合が大きくなっているわけではありません。むしろ、30分以上の仮眠をしない人で21.6%と最も大きくなっています。

選択肢4. 【資料Ⅰ】図2から、学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとることが「よくある」と回答した人のなかでは、午前中の調子が悪いことがどの程度あるかという質問に「ない」と回答した人の割合が最も小さいことが読み取れる。

30分以上の仮眠が「よくある」人について見ると、午前中の調子が悪いことが「よくある」は30.5%、「ときどきある」は35.0%、「あまりない」は21.3%、「ない」は13.2%です。

この中では13.2%が最も小さいため、資料から正しく読み取れています。

選択肢5. 【資料Ⅱ】から、朝食をとることで体内の末梢時計の一部がリセットされ、そのことがほかの末梢時計や主時計の始動に影響を及ぼし、ずれが生じた体内時計のリズムを整えることが読み取れる。

【資料Ⅱ】には、朝食が主に肝臓の末梢時計をリセットする働きを持つとあります。一方、主時計をリセットするのは朝の強い光だと説明されています。

朝食によってリセットされた肝臓の末梢時計が、さらにほかの末梢時計や主時計を動かすとは書かれていません。そのため、資料にない関係を付け加えています。

選択肢6. 【資料Ⅲ】から、午後三時前までの時間帯に20分以内の短い仮眠をとるよりも、夕方の帰宅後に20分以上の仮眠をとるほうが、使い過ぎなどによって疲れた脳の回復には効果があることが読み取れる。

【資料Ⅲ】では、夕方に寝ると脳の疲れが回復して眠気が減るものの、そのために夜の眠りが浅くなり、睡眠不足につながると説明されています。また、午後3時前までの20分以内の短い昼寝には、頭をすっきりさせ、夜の睡眠への影響も小さいという利点があります。

夕方に20分以上眠るほうが、短い昼寝より脳の回復に効果があるという比較は示されていません。そのため、この説明は資料からは読み取れません。

まとめ

この問題では、資料に書かれていることをそのまま正確に読み取ることが大切です。

図1では、「毎日食べる」人の「ない」が16.5%、「食べない」人の「ない」が11.8%なので、前者のほうが大きくなっています。

図2では、30分以上の仮眠が「よくある」人の中で、「ない」は13.2%となり、「よくある」30.5%、「ときどきある」35.0%、「あまりない」21.3%より小さく、四つの中で最も低い割合です。

一方、「頻度が低くなるにつれて」のような表現は、途中の数値も含めて一定の方向に変化しているかを確認する必要があります。また、文章資料については、資料に書かれていない因果関係や比較を付け加えていないかに注意することがポイントです。

参考になった数0