共通テスト(国語) 過去問
令和8年度(2026年度)追・再試験
問23 (第3問(実用的な文章) 問3)

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問題

共通テスト(国語)試験 令和8年度(2026年度)追・再試験 問23(第3問(実用的な文章) 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

Aさんのクラスでは、自分で設定したテーマについてレポートを書く授業が行われている。生活習慣に関心があったAさんは、次の【資料Ⅰ】の内容に興味を持ち、レポートのテーマを「午前中の調子を左右する要因」にすることとした。テーマに関連するものとして後の【資料Ⅱ】と【資料Ⅲ】を集めたAさんは、現在、各資料についての分析を行っている。これらを読んで、後の問いに答えよ。

【資料Ⅱ】朝食に関する文章
 朝食には大事な役割がある。朝食をとると、体内時計が動き始めることが近年わかってきた。脳にある「主時計」(親時計ともいう)が、体中にたくさんある「末梢(まっしょう)時計」(子時計ともいう)を統御している。
 ヒトの体内時計は1日24.5時間と言われる。そのまま放置すると1日0.5時間のずれが生じるが、体内時計にはある刺激によってリセットされる機能が備わっている。
 主時計をリセットさせるのは、強い光。朝起きて太陽の光を目の網膜に映すと、その光の刺激が脳に届き、睡眠・覚醒リズムや体温や血圧のリズム、ホルモン分泌リズムなどをつくりだす。末梢時計は肝臓、腎臓、胃、腸などさまざまなところにある。朝食は、主に肝臓の末梢時計をリセットするのに大事な働きをしている。
(鎌田實(かまたみのる)「おすすめ『朝タン』に卵」(「毎日新聞」2024年10月27日朝刊)による)

【資料Ⅲ】仮眠に関する文章
 夕方帰宅後に仮眠をとることで、その後頭がすっきりしますが、その分、夜寝る時刻が遅くなり、体内時計のリズムが夜型化することになります。また、夜の寝つきが悪くなるとともに、眠りが浅くなり、結局睡眠不足をもたらします。その結果、翌日の日中に眠気が生じ、また夕方の帰宅後に仮眠が必要になるという悪循環となります。
 人が眠くなる仕組みには、体内時計のリズムによるものとは別に、睡眠不足や脳の使い過ぎなどにより疲れた脳を休ませるためのものがあります。夕方に寝ると脳の疲れが回復し眠気が減るため、夜の眠りが浅くなるのです。
 夕方眠気を感じる場合には、睡眠不足の状態になっている可能性がありますので、夜は早めに寝て十分な睡眠時間を確保した上で、朝食前に勉強をするのも効果的です。
 なお、午後3時前までの時間帯に20分以内でとる「短い昼寝」は頭をすっきりさせる効果があり、夜の睡眠に対する影響も小さいことが分かっています。このときベッドなどで長く眠ると眠りが深くなり、脳と身体が休息モードになってしまい、かえって頭がぼんやりするため注意が必要です。
(文部科学省「早寝早起き朝ごはんで輝く君の未来〜睡眠リズムを整えよう!〜」による)

【資料Ⅰ】〜【資料Ⅲ】に関する分析として適当でないものを、次の選択肢のうちから一つ選べ。
問題文の画像
  • 【資料Ⅰ】の図1と図2を見ると、朝食をとることと学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとることが、それぞれ午前中の調子に関係するのではないかと思えるところがある。しかし、朝食を毎日とる人やこの種の仮眠をとることがない人でも、午前中の調子が必ずしもよいわけではないことが確認できる。以上の理由から、【資料Ⅰ】のみを取り上げて、午前中の調子を左右する要因について結論づけることは難しい。
  • 【資料Ⅰ】図1を見ると、朝食をとるかどうかが午前中の調子に影響を及ぼすのではないかと思えるところがある。しかし、【資料Ⅱ】からは、朝食をとることで体内時計が動き始めるということは読み取れるものの、朝食をとることが午前中の調子の向上に直接つながるという記述までは確認できない。以上の理由から、【資料Ⅰ】図1と【資料Ⅱ】のみを取り上げて、午前中の調子を左右する要因について結論づけることは難しい。
  • 【資料Ⅰ】図2を見ると、学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとることと午前中の調子との間に関連があるのではないかと思えるところがある。しかし、【資料Ⅲ】からは、この種の仮眠は夜の眠りを浅くしてしまうということは読み取れるものの、夜の眠りが浅くなる原因に関する記述は確認できない。以上の理由から、【資料Ⅰ】図2と【資料Ⅲ】のみを取り上げて、午前中の調子を左右する要因について結論づけることは難しい。
  • 【資料Ⅱ】からは、朝食が体内時計をリセットすることが、【資料Ⅲ】からは、夕方帰宅後の仮眠によって体内時計のリズムが夜型化することが確認できる。どちらの資料も体内時計について触れてはいるものの、相互に補完し合う内容ではないため、朝食や仮眠を含めた体内時計の全体像を理解することができない。以上の理由から、午前中の調子を左右する要因について、【資料Ⅱ】と【資料Ⅲ】を組み合わせて結論づけることは難しい。

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この過去問の解説 (1件)

01

適当でないのは、「【資料Ⅰ】図2を見ると、学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとることと午前中の調子との間に関連があるのではないかと思えるところがある。しかし、【資料Ⅲ】からは、この種の仮眠は夜の眠りを浅くしてしまうということは読み取れるものの、夜の眠りが浅くなる原因に関する記述は確認できない。」とする説明です。

 

【資料Ⅲ】には、夕方に眠ると脳の疲れが回復して眠気が減り、そのため夜の眠りが浅くなるとはっきり書かれています。したがって、「夜の眠りが浅くなる原因に関する記述は確認できない」という部分が、資料の内容と合っていません。

選択肢1. 【資料Ⅰ】の図1と図2を見ると、朝食をとることと学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとることが、それぞれ午前中の調子に関係するのではないかと思えるところがある。しかし、朝食を毎日とる人やこの種の仮眠をとることがない人でも、午前中の調子が必ずしもよいわけではないことが確認できる。以上の理由から、【資料Ⅰ】のみを取り上げて、午前中の調子を左右する要因について結論づけることは難しい。

【資料Ⅰ】からは、朝食や仮眠の習慣と午前中の調子との間に何らかの関係がありそうだと考えることはできます。

しかし、朝食を毎日食べている人の全員が午前中の調子がよいわけではなく、30分以上の仮眠をとらない人の全員が調子がよいわけでもありません。

また、グラフから分かるのは回答の割合であり、朝食や仮眠だけが午前中の調子を決めているとまではいえません。そのため、【資料Ⅰ】だけで原因を結論づけることは難しいという分析は適切です。

選択肢2. 【資料Ⅰ】図1を見ると、朝食をとるかどうかが午前中の調子に影響を及ぼすのではないかと思えるところがある。しかし、【資料Ⅱ】からは、朝食をとることで体内時計が動き始めるということは読み取れるものの、朝食をとることが午前中の調子の向上に直接つながるという記述までは確認できない。以上の理由から、【資料Ⅰ】図1と【資料Ⅱ】のみを取り上げて、午前中の調子を左右する要因について結論づけることは難しい。

【資料Ⅱ】には、朝食をとることで体内時計が動き始め、特に肝臓の末梢時計をリセットする働きがあると説明されています。

しかし、朝食をとれば午前中の調子がよくなると直接説明しているわけではありません。

【資料Ⅰ】には朝食と午前中の調子との関係が見られ、【資料Ⅱ】には朝食が体内時計に関わる仕組みが示されていますが、それだけで朝食が午前中の調子を左右する原因だと断定することはできません。そのため、この分析は適切です。

選択肢3. 【資料Ⅰ】図2を見ると、学校から帰ってきて夜寝るまでの間に30分以上の仮眠をとることと午前中の調子との間に関連があるのではないかと思えるところがある。しかし、【資料Ⅲ】からは、この種の仮眠は夜の眠りを浅くしてしまうということは読み取れるものの、夜の眠りが浅くなる原因に関する記述は確認できない。以上の理由から、【資料Ⅰ】図2と【資料Ⅲ】のみを取り上げて、午前中の調子を左右する要因について結論づけることは難しい。

この説明が適当ではありません。

【資料Ⅲ】では、夕方に寝ると脳の疲れが回復して眠気が減るため、夜の眠りが浅くなると説明されています。つまり、夜の眠りが浅くなる理由は資料の中に示されています。

さらに、夕方の仮眠によって寝る時刻が遅くなり、体内時計が夜型になり、睡眠不足につながるという流れも説明されています。したがって、「原因に関する記述は確認できない」という部分が誤りです。

選択肢4. 【資料Ⅱ】からは、朝食が体内時計をリセットすることが、【資料Ⅲ】からは、夕方帰宅後の仮眠によって体内時計のリズムが夜型化することが確認できる。どちらの資料も体内時計について触れてはいるものの、相互に補完し合う内容ではないため、朝食や仮眠を含めた体内時計の全体像を理解することができない。以上の理由から、午前中の調子を左右する要因について、【資料Ⅱ】と【資料Ⅲ】を組み合わせて結論づけることは難しい。

【資料Ⅱ】では、朝食が主に肝臓の末梢時計をリセットすることが説明されています。一方、【資料Ⅲ】では、夕方の仮眠によって体内時計のリズムが夜型になることが説明されています。

どちらも体内時計に関係していますが、それぞれ別の生活習慣について説明しており、朝食と仮眠がどのように組み合わさって午前中の調子に影響するのかまでは示されていません。

したがって、この二つの資料だけで午前中の調子を左右する要因を一つの結論として決めることは難しいという分析は適切です。

まとめ

この問題のポイントは、資料に「何が書かれているか」だけでなく、その分析文が資料に書かれている内容を正確に受け止めているかを確認することです。

【資料Ⅲ】には、夕方の仮眠について、

夕方に寝る
→脳の疲れが回復する
→眠気が減る
→夜の眠りが浅くなる

という関係が説明されています。

そのため、夜の眠りが浅くなる原因について「記述は確認できない」とする説明は資料と矛盾しています。

したがって、適当でないのは、【資料Ⅲ】には夜の眠りが浅くなる原因の記述がないとしている選択肢です。

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